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2006年9月 4日 (月)

藤川球児

昨年4月、仕事で阪神タイガースを担当する記者の案内の下、甲子園球場を見学した。監督部屋・ベンチ・記者席・グラウンド…。練習場からグラウンドへ通じる通路で話をしていると、数人の選手が通り過ぎていった。ポーカーフェイスを装っていた俺は、幼い頃から阪神ファン。内心興奮していた。

山崎一玄嘉勢敏弘(二人は打撃投手になっていた)、そして藤川球児。彼らは、カゴいっぱいのボールを運んでいた。2往復くらいしてからだろうか、途中で一人の選手があいさつにきた。

 

藤川だった。                                  

 

帽子を取り、「よろしくお願いします」と。

見ず知らずの俺たち(見学者は他にもいた)に対して気を配り、一軍の選手でありながらボールを運ぶという姿勢。苦労を知っている人間の謙虚さを感じた。それは、自信からにじみ出る類のものと思われた。試合開始まで、間近で選手たちの練習を見ていたが、藤川は一軍の選手に見えなかった。それくらい、ひたむきに、熱心に、取り組んでいた。

「もっとリラックスしたらいいのになあ」と見ていたのを思い出す。

この年、稲尾和久らが持っていたシーズン最多登板記録(78試合)を超える史上初の年間80試合登板を果たし、阪神優勝の立役者となる。普段からの地道な努力が身を結んだのだろう。そして、彼の人間性に対して神様が記録をプレゼントしたんじゃないかな。だって、最多登板記録ってチーム状況とか周りの協力に影響されるものだもん。

それと、野球ファンでなくても、「名前しってるよ」って言うくらい有名になった。

今年、オールスターでの清原との勝負に代表されるように、一気に球界のスターになった藤川。周りの注目が集まり、世間やマスコミから無理を「強要」されるようになった。野球選手はグラウンドに出てナンボだから、「行ってくれ(投げてくれ)」と言われて断ることはないだろう。特に、彼の場合は。

先日、ケガから復帰した後のヒーローインタビューで、藤川は言葉を失った。涙を見せた。

2002年9月、初勝利をあげたときには、嗚咽した。苦労を思い出してのココロの涙。でも、今回の涙は違うものに見えた。カラダの涙に思えてしかたがない。

登録抹消されたとき、「今年はもういいよ。来年以降も投げてる姿をみたいから」と思った。

でも、藤川が戻ってきてからのチームの変化を見て、複雑な気持ちになった。

ベンチ、ファンは、藤川の存在を優勝への絶対条件に考えている。そして、優勝をあきらめていない。

満員のファン、野球界を思い、彼は投げるしかないのかもしれない。もしかしたら、今がピークなのかもしれない。

あまりにも厳しい世界。何が正しいかもわからない。でも一つだけ思った。 

打者を抑えた後の球児の顔は最高だ」 

賛否両論あると思います。コメントもらえたら、うれしいです。

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コメント

ルパンさん、はじめまして!
藤川選手のステキなエピソードをありがとうございます。
私は“ついなんとなく阪神の成績が気になってしまう”という程度のうすいファン(?)なので、ちゃんとしたコメントはできませんが…苦労人というイメージのある藤川選手にはぜひ頑張ってほしいと思います。
なかなか努力が報われないけど「いつかきっと…!」と思って一生懸命頑張っている人たちにとっては、希望の星のような存在だと思いますし☆
今シーズンはもう残り少ないですけど、ルパンさんの記事を読んで、藤川選手がすばらしい投球ができるよう応援したいと思いました!

投稿: ゆげりん | 2006年9月 4日 (月) 23時51分

おはようございます!
ずっーとBクラスの阪神を観てきたので、2003年初優勝したときの感動は今でも覚えています。でも、常勝チームになってからは熱狂的な阪神ファンではなくなった気がします。広島との試合を観てると、複雑ですもん。
「希望の星」
いいフレーズですね☆温かい目で藤川選手を見守っていきましょう!

投稿: ルパン | 2006年9月 5日 (火) 07時39分

ルパンさん どうもです。
その複雑な気持ちは、みんな持ってるんじゃないですかね。
ワタシも、登録抹消されたあたりに
「こんな時に温存なんかしてる場合か!」って声をよく聞いて複雑になりました。
彼は日本球界の宝でもあり、その輝きはまだまだ長く続くべきだと思います。
一方で、現状のタイガースには球児さんが必要だという気持ちも強かったです。
「涙のヒーローインタビュー」で球児さんはファンにチームの意思を代弁して伝え、共に諦めない気持ちを与えてくれたと思います。
それがまた球児さんへの更なる期待に繋がりました。
・・・それは使命で、重荷なのか・・・
本当のところはわかりませんが、「プロ野球選手・藤川球児」にとって、超満員・大声援の中でマウンドに立つことが、チームの一員として戦うことが幸せなのではないでしょうか?
その姿を見て、最後まで諦めない。声援を送り続けることがファンの使命。
ワタシはそうであって欲しいと思います。

投稿: ch | 2006年9月 5日 (火) 16時09分

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